半導体の基礎と日本の半導体

電子部品の一種である半導体。単語だけならほとんどの人が耳にしているでしょう。しかしそもそも半導体とはなんでしょう?その物質は我々にどのような利益をもたらしているのでしょうか?そして、かつて世界一の半導体大国であった日本はなぜその力を失ってしまったのでしょうか。

電子部品の一種「半導体」について

ものには電気の流れやすさがあります。すべての物体には電気抵抗というパラメータが定義され、抵抗の大きさがすわなち電気が流れにくいということを表します。電気を通す物体を導体、通さない物体を絶縁体と呼びますが、では世の中の物体はすべて導体か絶縁体かというと、実は両方の性質を持つ物体が存在し、これを半導体と呼ぶのです。
電子部品である半導体は温度、光、電磁気などに応じて、時には導体、時には絶縁体として機能します。この特性は非常に利用価値が高く、半導体を利用して作られた半導体素子は現代のあらゆる科学製品の基礎を担っています。今や半導体を利用していない電化製品はほとんどないと言っても過言ではありません。スマートフォンから人工衛星まで、私たちは半導体の恩恵なしには一日も生きることはできないでしょう。

半導体の歴史

1947年、米国で初めてトランジスタが発明されました。半導体の歴史の始まりはこのトランジスタの誕生か、またはそれよりさらに昔、1939年のダイオードの発明からであると言われます。トランジスタは真空管を駆逐しつくすほどの急激な広がりを見せましたが、その後の展開を見ても半導体分野ほど劇的な発展を遂げたものは他にはないでしょう。半導体の歴史にはいくつかの大きな転機がありますが、とりわけ重要なのが集積回路、ICです。
ICの最大の利点はなんといっても小型であることです。小型であれば、空いた領域にさらに半導体を詰め込めるので、より性能を上げることができます。このように同じ大きさの場所により多くの半導体を詰め込むことを集積度を上げると表現しますが、この集積度の進歩こそが現代文明の発展の基礎であり、今では半導体素子一千万を超える集積が当たり前に製造されているのです。

日本の半導体

かつて日本は世界屈指の半導体大国でした。1990年まで世界中で使われている半導体の大部分が日本のもので、半導体出荷数も日本企業で上位を埋めていたほどです。
しかし時代は流れ、かつての栄光はずいぶん色あせてしまったような状況です。その原因は、大胆な設備投資ができなかった、技術の流出を真剣に捉えていなかった、他国が国家がかりで半導体に力を注いでいた中で、日本だけ及び腰だった、などさまざまな説が唱えられています。原因は一つではないでしょうし、どれもが原因の一つなのでしょう。しかし、日本の半導体衰退という事実について真剣に議論が交わされるくらいなのですから、これは、皆が内心では日の丸半導体の現状に不満を持っているということの裏返しでもあるといえます。今より未来において、日本の半導体業界がどうなるのかは分かりませんが、願わくはかつてのような半導体大国の地位を取り戻して欲しいものです。